2013-01-01から1年間の記事一覧
やすやすと裸でいるなと湯上りの姉妹にそれは誇りと言えど
ビービー弾を丸めたティッシュに詰め替えて湯上りの銃撃戦よけれ
はい、ならば言えるがイエス、とは言えぬ私の母語の暗闇のこと
君の心を哀とか恨と名づけかけて君の表情のまま覚える
園のことを聞けばおおむねはきはきと時に言葉少なに吾子は
ひとしきりお湯で遊んで子を抱けば話はおよぶ今日の後悔に
困ったという顔すれば勢いをいよいよ増して飛んでくるお湯
夕張メロンソーダの壜を捨てず子は夏、秋、冬と風呂に浮かべる
けらけらと体くねらせ笑う子のこの眼 時には獰猛なこの眼
ブブー、はずれ、と三度に二度は言わせつつ湯船の中のクイズ延々
来たるべき冬に買うもの買えぬもの財布大きく開けてたずねる
逃げたっていいんだ足が遅い人だけが気づける鉱脈もある
カプリコを幾つか持って子はゆけり朝の負けなど気にせぬ顔で
手の中のたらこむすびとコメントを代わる代わる出す万国旗の下
校庭で蜜柑をむきぬ変声期中の爆笑を聞きながら
徒競走を待つもの憂げな横顔が秋の陽にそっと明滅してる
神妙な顔で行き先を言い合って庭へと駈けてゆきたり子らは
笑ったり笑わなかったりする母を子は不思議そうに見上げていたり
みぞれ梨ジュースをふたり分け合って君の5歳の秋を見送る
石段で靴を脱いでは履かせあい夢が光りあう仲いとこは
友人の見てた夜空の色などは知れず嘆息まみれの餞
同じ闇ではないだろう私たちひとりひとりに迫る夜空は
漆黒の髪の宰相を闘鶏の鶏といえどボスに所望す
出会いがしら犯されし町も彼岸だということにして実家のベッド
ここに生きるのかと密かに疑って冬毛のように仕事をなくす
シャモ's Short song ここに生きるのかと密かに疑って冬毛のように仕事をなくす(016:仕事) 出会いがしら犯されし町も彼岸だということにして実家のベッド(017:彼) 漆黒の髪の宰相を闘鶏の鶏といえどボスに所望す(018:闘) 同じ闇ではないだろう私た…
こぽこぽとプールで息を吐く音がまだするねって笑う真夜中
レインボーかき氷混ぜるこどもいて更科そばののぼりが揺れる
大波にうかぶ楽しさ極熱の太陽に背中あずける、ぜんぶ