2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ありがとうございました!感謝!!
ポンデリングの最後に食べる一粒を家族みんなでまだ見つめおり
観覧車まわれよまわれあした行く沖をてっぺんから愛そうよ
吉報をひとつ携帯にうけておさなごに食べるべきものを聞く
小春日の陽があたたかいこの午後にわたしの影をひとつ隠すから
伸びっぱなしの髪翻しゆきずりのゆきずりたる能力に殉ぜよ
運命とやがてことばにしなくなり本当の運命が根を張る
しぶいしぶい顔をあなたはするだろう雇用とか職とかの話に
君の姓は草原の木蔭もらいうけし印をわたしの分霊、と決める
うたがいの眼差しは雨みたいだからうたがいがかわくほど身勝手を
図書館の閲覧室で知りし私たちの十五年のちの常用薬よ
いちまいの布を窓辺に帆のようにかざしてたったひとりの船出
海風に煽られる君の髪などを痛いほど知る見知らぬままに
七歳の君は生きるよ三年生の男の子にやりこめられながら
故意じゃないことばかり選ぶという故意を海岸につくまで繰り返す
雨雲に魅入られっぱなしなるひと世わらう他ない人形でいたい
それは見てきたように母子で語るなり遥かかなたの国の話を
七歳の君は生きるよ皇太子をめんたいこって読みちがえながら
射貫かれることより苦く青空を思慮のなき顔でみあげるばかり
ネクタイを買うことのなくユニクロのチェックのXLとしたしむ
しかし証であるからちゃんといただいて大切にしまう連絡網を
引きつぎをひとつ終えたり八月と十月の議事録なくしたまま
絶対という語の好きなおさなごが絶対と言うときのニヤニヤ
地球儀を寄せてタオルで棚を拭く今年もおひなさまを出そうよ
聡明というわけじゃなく優しいとも違ってですがわたしの姉だ
ぞんざいに子のいれてくれし珈琲のなみなみとほのかに温かし
簡潔に言う男らしい藤原道長のおおき盂蘭盆の文字
外泊をはじめてしたるおさなごの焼きマシュマロの話など聞く
この冬のこどもたちとの約束は谷中銀座の飴屋の飴、ほか
叱責のメールを打ってその足で鉄剣銘を板書しており