098:吉(柳原恵津子)
吉報をひとつ携帯にうけておさなごに食べるべきものを聞く
097:陽(柳原恵津子)
小春日の陽があたたかいこの午後にわたしの影をひとつ隠すから
096:翻(柳原恵津子)
伸びっぱなしの髪翻しゆきずりのゆきずりたる能力に殉ぜよ
095:運命(柳原恵津子)
運命とやがてことばにしなくなり本当の運命が根を張る
094:雇(柳原恵津子)
しぶいしぶい顔をあなたはするだろう雇用とか職とかの話に
093:印(柳原恵津子)
君の姓は草原の木蔭もらいうけし印をわたしの分霊、と決める
092:勝手(柳原恵津子)
うたがいの眼差しは雨みたいだからうたがいがかわくほど身勝手を